2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

社畜。

ぼくは社畜だ。今日は帰りが22時だった。アパートに帰ったら食事をして寝るだけ。オフィスに飼われているんだ。なぜ自分が人間以下の存在になりさがってしまったというのに、会社から逃げ出さないのか。ぼくはそれを考えてみた。結局ぼくは日和見主義者で…

生活。

くるりが5人編成となった。職場でそれを知ったぼくは彼らがうらやましくてならなかった。ニュースでは照明が落ちた狭い部屋(それは子供部屋か、1人暮らしの若い男の部屋を想像させた)に、楽器を持った5人のメンバーが所狭しと椅子に腰掛けている写真が…

東京日記

2001年4月 ついに東京へやってきた。せまっ苦しい、じめじめした田舎とは永遠におさらばだ。俺は日本で最高の大学と世界有数の都会にまんまともぐりこんだ。これからどんな世界が俺を待ち受けているのだろう!俺の胸は期待で膨れ上がって、足元もおぼつかな…

パリに、降る雨

ぼくはぼく自身をいったいどうしたいのだろう?答えの出ないままぼくは歩いている。歩き続ける…。あるいはぼくは本当に親元へ帰るべきなのかもしれない。ぼくは今、クソみたいなベンチャー企業で働いている。クソみたいなベンチャー企業というものはこの日本…

同僚とバスに乗って

同僚の女の子と街へ出ていた。アーケードから曲がった路地にガチャポンとUFOキャッチャーが並んでいた。彼女は景品を取ることにこだわって何度もお金をつぎこんだ。でもなかなか望んだものは出てこなかった。そのたびにぼくを振り返っては笑った。でもぼくは…

東京へ出て

湖畔へついたのはまだ日も高いころだったが、部屋の二段ベッドに腰掛けて同室の男達と故郷の話などしていると、夕暮れがきて、食事もすみ、やがてコンパの時間がやってきた。 順一はほとんど酒を飲んだことがなかった。卒業してから一度ニュータウンの友達の…

海沿いの寺

海沿いの国道で荒れ果てた寺をみた。風が至るところから砂を巻きあげて髪にまとわりつき、のどがいたんだ。目に入るのはアスファルトと防波堤ばかりで、ひどく殺風景な風景にその寺は取り残されていた。ぼくは車の走らない国道を岬へ向けて一人で歩いていた…

生きていく意味が…

朝が辛い。22時半帰りでは体がもつわけがない。きついし、金は出ない。ぼくはいったい何のために働いているのだろう? 新卒のとき、友達と行った会社説明会で見た会社に、入っておけばよかった。ぼくらはその会社を馬鹿にしていたが、今にして思えば、ぜん…

ぼくは働きマンになれるのではないか?

22時半。ようやくアパートへ帰り、セシル・テイラーのアルバムを聴きながら食事した。一ヶ月前のぼくであったらこんな時間まで働いていては憤懣やる方ない気持ちで胸が燃えるようだっただろう。でも今日は違う。とても、すがすがしい気分だ。ぼくは働きマ…

貴人達との夢

ぼくはフランスの貴人に会ったのだ。大きな白い巻き毛のかつらをかぶっていた。ぼくは大学の敷地内を歩いていた。歴史のある大学で、空襲にも焼け残ったレンガの造りの巨大な洋館が並んでいた。キャンパスは静かで、実験に使われる機械の小さなうなりがどこ…

人生は苦しみの連続…最近になってようやくぼくはそれを実感するのだ

ぼくは大学時代に授業にも出ず親からの仕送りで放蕩無頼を通してきたために、人生とは切ないことも多いけれどそれなりに楽しいものだと思っていた。でもそれは幻想だった。誰からも後ろ指をさされることなく幸せな生活を送るということは、なんと難しいこと…

おぉ、桜桃忌!

今日はぼくが上京してから九度目の桜桃忌だった。そしてぼくが太宰の墓前に足を運んだ二度目の桜桃忌であった。 下北沢のセガフレードでパニーニとカフェラテの朝食をとり、三鷹へ出かけた。一年前と同じように南口の商店街をまっすぐに歩いて禅林寺へ向かっ…

文人になりたい

気晴らし。街を散歩することも気晴らしなら、仕事に精を出すことも気晴らしになるのではないかと思える。違うのは、仕事は苦しく、その大部分はつまらないことと、仕事はぼくに金を与えてくれるところだ…。しかし街はぼくに多くのものを教えてくれるが、仕事…

ぼくは東京を去るのか?この躁病にかかったピエロの抱擁なくしてぼくは生きていけるのだろうか…?

同輩の女の子が黒いカットソーを着てオフィスにやってきた。すぐ彼女は上着を脱いでふたつの胸の隆起を狭いオフィスにひしめく男達の視線にさらした。決して大きくもないし形もよくない乳房だったけれど、それゆえに冷え固まった溶岩のような彼女の曲線はぼ…

東京をさるく

ぼくはこの土日の過ごし方をとても後悔している。昨日の朝、ぼくは赤坂にある人材会社のキャリアカウンセラーに転職の相談をしに行った。インターンをしている会社から内定はもらっているのだが、そこは毎晩10時過ぎまでオフィスにいなくてはならないし、…

丘陵と女子高生

電車は込んでいた。八王子が近くなるにつれて窓の外には緑に覆われたなだらかな小山が目立つようになった。ときおりかさぶたが傷口を覆うように、連なった家々が山肌をはっていた。ぼくは郊外に住む人々の生活を想像し、自分が東京都23区内に住んでいるのを…

素敵な平原と女の子と懐かしいお祭の夢

大きな横断歩道を三軒茶屋にわたり、小さな店がごちゃごちゃと並んでいるなかを電子部品がたくさん詰まった棚を見て回った。それからひどく汚い古着がたくさん並べられたがらんとした店で服や鞄を見た。 大学の古ぼけた建物の階段で6つ年下のいとこの男の子…