2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

女の子に会いたくて

墨を流し込んだような薄曇で、コンクリート塀が空までを覆っているようだった。アパートの庭に伸びきった濃い緑と見事なバイカラーの世界を映し出していた。随分気の利いた書き割りが、予期せず目の前にあらわれたみたいだった。偶然の芸術が夢見心地のぼく…

女の子の詩

今週のお題「2011年、夏の思い出」 午前1時にアパートに帰ってきたときぼくは会社の飲み会でしたたかに酔っ払っていた。強い雨が降り止んだあとで、部屋の中にはひどい温気がたちこめていた。 鬱病で休職する同期の女の子と話せる最後の機会かもしれなかっ…

東京で…寂しくて…

寂しい。ぼくは結局、寂しいのだろう。この寂しさをどうにかしなければ。夕暮れが訪れるたびにぼくの心は寂しさでいっぱいになる。今日は朝起きて9時過ぎにアパートを出て、下北沢の松屋で朝の定食を食べた。東京駅で、帰省のときに買い損ねた土産物を買わ…

東京で…

部屋の掃除などをしていると昼になった。風邪をひいていたのでアパートを出て病院へ行った。病院は下北沢の街中にあって、待合室から通りを行く人々の姿が良く見えた。だんだんと人通りが増えてきているようだった。固いソファに座って掃除の行き届いた部屋…

労働者たちへ

井の頭線のとある駅に、今までになかった電光掲示板が改札の前に天井からさがっているのを見た。ホームが階下にあるので、改札を通る前に電車到着の時刻を知られるようになった。しかし、別にこんなものはなくともよい。 一枚の電光掲示板が設置されたからに…

みんな死ね

なぜぼくは生きているのだ。人間が生きている意味は、人間だからといって動物と違うところはない。ただ、生きて、死ぬのみ。 ただ生きて死ぬのみ。人生には意味などない。ぼくをときに絶望的な気分にさせるが、仕方がない。意味がないことをぼくは5歳のころ…

心臓が死にかけている

自分の話が面白いとでも考えているのだろうか?自分の笑顔が美しいとでも思っているのだろうか?なぜ彼らはぼくの目の前にあらわれるのみならず、ぼくを彼らのもとへ呼びよせるのだろう?ぼくが内心ではひどくつまらない思いをしているのに、彼らの前ではい…

四日間

木曜日から酒を飲んでばかりいたら神経が参ってしまった。木曜日は急に友達から誘いがあって仕事上がりに飲んだ。まともな食事をとらずにつまみだけでビールを飲んでいたら二日間下痢に悩まされることになった。皆旧知の仲で耳新しい話のひとつも出ず、それ…

行方不明になりたい

人生の価値は、享楽にあり ○ ぼくは街に生きる詩人でありたい。このクソみたいな 戦 争 社 会 を食い荒らしてやりたい。 ○ ぼくは営業でに明石に来た。30分前に訪問先のビルについたので、喫茶店に入って時間をつぶそうとしたが、近場にはなかった。そこで…